技術力 - 特殊溶接棒株式会社 technology

溶接冶金

実施工では①急速冷却過程において非平衡相が生成する成分系があること、②溶接で母材成分の希釈が生じ溶接材料の特性が変化すること、③多層溶接に伴い後続パスの多重熱履歴を受けた部分が組織変化を起こすことを考慮して、強度、靭性、耐摩耗性、耐熱性および耐食性などの必要特性を担保しなければなりません。また、特殊材料の溶接における凝固割れ、延性低下割れ、SR割れ、低温割れなどの損傷発生に対しても、それぞれの脆化機構から割れの発生に至る感受性の低減に繋がるように対策を講じる必要があります。よって、溶接品質を確保して、お客様が求める必要特性を満足するため、材料挙動の理論的検討から、特注材料の成分設計および施工に供する材料選定を行い、溶接冶金的な観点からミクロ組織の適正化を図っております。

変形/応力

機械構造物の部材表面に対して、耐食性、耐熱性および耐摩耗性などの必要特性を付与する手法として肉盛補修溶接が各種産業分野で広く適用されております。しかしながら、それらに適用される溶接材料は割れ感受性が高い成分系が多く、施工対象の大半が高剛性部材であることからも、溶接中に発生する応力/ひずみにより種々の割れ現象が発生し易くなります。また、割れに到らずとも施工対象が溶接変形により寸法公差から外れることも想定されます。そこで、当社は上記の溶接治金的対策に加えて、損傷の抑制および寸法精度の確保に向けて、変形/応力を低減するために
溶接力学的アプローチも併せて適用しております。

生産プロセス

溶接部におけるミクロ組織の適正化ならびに変形/応力の低減を達成するには、溶接により付与される最高温度分布と任意箇所での温度履歴を正確に管理する必要があります。それらは熱効率を加味した実効入熱量とパス数およびパス順序により決定されるため、溶接法や材料種に応じて最適な施工条件を検討しております。

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